2015年 10月 16日
モビリア仮設住宅と、生産家Mさんへの聞き取りをしました。 |
100歳のミサヲ様を始め、91歳のハマ子様や、80代、70代の方々がいらしてくださいました。家で手もみ茶を作っていた、という方も多くいらっしゃいました。
多くの方が、「昔の、家の(あるいは親戚などからもらった)手もみ茶は、美味しかったよ~」と、迷いもてらいもなく、当たり前のことのように、まっすぐにおっしゃっていました。
午後には、今もなお、自家用茶を摘んで加工してもらって飲んでいるという、小友町のM様のお宅に伺いました。83歳のお父様からは、お仕事の修業時代の15、16歳の頃、お向かいのばあちゃんが一人でお茶を手もみしているのを、よく見に行ったという話を伺いました。ばあちゃんは、とてもお茶好きな人で、丁寧にお茶を揉んでいたそうです。ばあちゃんは、出来上がったお茶を、よく、少年のMさんを呼んでは一緒に飲んでいたそうです。その時にお茶の美味しさを教わり、以来、Mさんはお茶好きになったのだそうです。
今日お聞きしたのは、「気仙茶」ではなく、それぞれの「おら家のお茶っこ」のお話でした。お茶が本当に好きで、大事に作っていた人がたくさんいらしたのだなあと思います。今までは気がつかなかったけれど、本当は、昔の人達の、「おら家のお茶っこ」をものすごく慈しんでいたその気持ちが、たくさん、空に浮かんでいて、耳を澄ますと、「おいしいよ」という声があちこちから一斉に聞こえて来るような気がします。
これからも、お聞きしなければ消えて行ってしまうような、お茶のお話、暮らしを慈しんでいらしたお話、この土地に重ねられてきた、お茶を愛おしんだ人の気持ちのお話を、お聞きして書き留めていきたいと思います
by kesen-communi-tea
| 2015-10-16 18:18
| 聞き書き・伝承