2016年 04月 02日
昔がたり高田まぢ編より~③お茶づくりのこと |
~2016.3.26昔がたり高田まぢ編より~③
お茶づくりのこと
聞き手:阿部裕美さん 語り手:菅野田鶴子さん(93歳)、菊池仲子さん(85歳)
(文中敬称略)
阿部
高田まちにも気仙茶植えてるとこはあったんですかね?
仲子
お茶っこ植えてるとこあったよ。
田鶴子
あったよ。
阿部
田鶴子さんちにあったの?
田鶴子
ママに。崩れっとこさ植えたんだね。
だから、やんたの。暑いときにこれ(お茶揉みを)、やんねばねえから。
会場
(笑)
阿部
自分ちで作ってたったのね。
仲子
仕上げるの。そして、出すんでねえの。
田鶴子
売るんでねえの。家で飲むの。
あとはまんず、知ってっとこさね、おばあさんが、けだりね。
阿部
お茶摘みとか、それは・・・
田鶴子
毎年、頼む人がね。
阿部
あ、誰か頼んでくるんだ。
田鶴子
あれ、さきちゃんの母さんとか。お茶だぞぉ、ってかだればね。やるんだね。
阿部
手伝ったりもしたんですか?
仲子
何か、おかみに運んだんでねえ?
田鶴子
揉み方さ。こたつのにゃ、脇かためたの、ここさほら、「ゆどん」。ゆどんっつうの。さっき敷物の話出た。あれのようなのを、箱さちゃんとこしぇだのあんの。こたつひっくり返したようなのさね。
炉さば炭いっぱいくべてね。開けたり閉めたりできなくなるからね。
んだから、こんな太いの入れんだっけ、炭をね。
それは、乾燥させんのにね、入れて。
そして、むしろでね、お茶揉む「むしろ」あんのす。
何回も使ってっから、赤茶びたようになってね。お茶専用にね。
あどは、ちゃんと立派に拭いて、蔵さしまっとくの。毎年、出して使うから。
おどご人だぢぁ、一番最初にね、ほら、釜から上げてきたのをね、揉むんだっけ。
力要るからねえ、あれは。
後は、炉端さ、こう、囲ったもの(※助炭と呼ばれる、乾燥させるときに使う箱のようなものだと思われます)をね、かぶせて。
これくれぇ幅のね、縄で巻いた板っこみでえなのね、それをこう(助炭に)渡すんだ、二つくらいね。
だから、(向かいあわせて)四人(よったり)ぐらいしてやんのね。
昔の炉だから、広いんだ。ちっちゃこい炉でないからね。それさ炭どさっと入れて、あとは、上げたり下げたりしねえんだ。仕上がるまでね。
揉み方させられるの、オラどぁ。3年生4年生ぐれえで、やんたな、と思って。あづがらな。あづぐなったとこだがすと。汗かきかきやったがね。
あどは、むしろ、って、一番先に揉むとこは、おどごだよ。力要るがらね。
阿部
それで、作ったお茶っこは。
田鶴子
家で飲むの。あとはよそさ上げたり。
阿部
売ったりはしない?
田鶴子
売んない。
缶さ、三つも四つも採んだもの。相当だよ。
一番、茎茶みたいな、荒っぽいのでね、(ふるい・こおろしを)通すんだっけな。
だんだんだんだん、3回くらいにね。一番最後に通すのは、おばあさんが飲む、っと。
阿部
ああ、それはもう決まってるの?
田鶴子
一番立派な撚りのかかったね。一番いいとこね。
今のお茶っぱ、そんなに撚りのかかったの見たことない。
そのお茶はね(いいお茶だった)。んだがら「ああ、今年ぁいいなあ」ってね。
んだから、何だろう、昔の人のお茶っこの飲み方ってね、ほんとに美味しそうに飲むのね。
(自分も)真似っこするけどね。
あんまりあっつくてもお湯はわがんねえしね。
だから、昔の人のお茶っこの飲み方ね、なんだか、本当にうまそうに飲むんだっけなあ。飲み方がなえ。
おらあ、思い出した。おばんつぁんが飲むとき、うまそうに飲むんだっけなあ、って。
おれが、真似して飲んでるんだけどね。
阿部
田鶴子さんがお茶を飲んでるのを見て、「ああ、おいしそうに飲むなあ」って見てる人がいるんでないの?
田鶴子
昔の人は大事にするもんね、お茶だらお茶、というものを。ちゃんとね。
お茶づくりのこと
聞き手:阿部裕美さん 語り手:菅野田鶴子さん(93歳)、菊池仲子さん(85歳)
(文中敬称略)
阿部
高田まちにも気仙茶植えてるとこはあったんですかね?
仲子
お茶っこ植えてるとこあったよ。
田鶴子
あったよ。
阿部
田鶴子さんちにあったの?
田鶴子
ママに。崩れっとこさ植えたんだね。
だから、やんたの。暑いときにこれ(お茶揉みを)、やんねばねえから。
会場
(笑)
阿部
自分ちで作ってたったのね。
仲子
仕上げるの。そして、出すんでねえの。
田鶴子
売るんでねえの。家で飲むの。
あとはまんず、知ってっとこさね、おばあさんが、けだりね。
阿部
お茶摘みとか、それは・・・
田鶴子
毎年、頼む人がね。
阿部
あ、誰か頼んでくるんだ。
田鶴子
あれ、さきちゃんの母さんとか。お茶だぞぉ、ってかだればね。やるんだね。
阿部
手伝ったりもしたんですか?
仲子
何か、おかみに運んだんでねえ?
田鶴子
揉み方さ。こたつのにゃ、脇かためたの、ここさほら、「ゆどん」。ゆどんっつうの。さっき敷物の話出た。あれのようなのを、箱さちゃんとこしぇだのあんの。こたつひっくり返したようなのさね。
炉さば炭いっぱいくべてね。開けたり閉めたりできなくなるからね。
んだから、こんな太いの入れんだっけ、炭をね。
それは、乾燥させんのにね、入れて。
そして、むしろでね、お茶揉む「むしろ」あんのす。
何回も使ってっから、赤茶びたようになってね。お茶専用にね。
あどは、ちゃんと立派に拭いて、蔵さしまっとくの。毎年、出して使うから。
おどご人だぢぁ、一番最初にね、ほら、釜から上げてきたのをね、揉むんだっけ。
力要るからねえ、あれは。
後は、炉端さ、こう、囲ったもの(※助炭と呼ばれる、乾燥させるときに使う箱のようなものだと思われます)をね、かぶせて。
これくれぇ幅のね、縄で巻いた板っこみでえなのね、それをこう(助炭に)渡すんだ、二つくらいね。
だから、(向かいあわせて)四人(よったり)ぐらいしてやんのね。
昔の炉だから、広いんだ。ちっちゃこい炉でないからね。それさ炭どさっと入れて、あとは、上げたり下げたりしねえんだ。仕上がるまでね。
揉み方させられるの、オラどぁ。3年生4年生ぐれえで、やんたな、と思って。あづがらな。あづぐなったとこだがすと。汗かきかきやったがね。
あどは、むしろ、って、一番先に揉むとこは、おどごだよ。力要るがらね。
阿部
それで、作ったお茶っこは。
田鶴子
家で飲むの。あとはよそさ上げたり。
阿部
売ったりはしない?
田鶴子
売んない。
缶さ、三つも四つも採んだもの。相当だよ。
一番、茎茶みたいな、荒っぽいのでね、(ふるい・こおろしを)通すんだっけな。
だんだんだんだん、3回くらいにね。一番最後に通すのは、おばあさんが飲む、っと。
阿部
ああ、それはもう決まってるの?
田鶴子
一番立派な撚りのかかったね。一番いいとこね。
今のお茶っぱ、そんなに撚りのかかったの見たことない。
そのお茶はね(いいお茶だった)。んだがら「ああ、今年ぁいいなあ」ってね。
んだから、何だろう、昔の人のお茶っこの飲み方ってね、ほんとに美味しそうに飲むのね。
(自分も)真似っこするけどね。
あんまりあっつくてもお湯はわがんねえしね。
だから、昔の人のお茶っこの飲み方ね、なんだか、本当にうまそうに飲むんだっけなあ。飲み方がなえ。
おらあ、思い出した。おばんつぁんが飲むとき、うまそうに飲むんだっけなあ、って。
おれが、真似して飲んでるんだけどね。
阿部
田鶴子さんがお茶を飲んでるのを見て、「ああ、おいしそうに飲むなあ」って見てる人がいるんでないの?
田鶴子
昔の人は大事にするもんね、お茶だらお茶、というものを。ちゃんとね。
by kesen-communi-tea
| 2016-04-02 12:49
| 聞き書き・伝承